しとしと降る春の雨に、桜の花もしっとり。
法事のお願いに、近くの寺院に来ました。日を追うごとに、桜も開花し境内も桜一色。
3月11日、例年より16日早く、の広島市で桜が開花したと発表しました。これまで最も早い開花より8日早く1953(昭和48)年の統計開始以来、最も早い桜の開花となりました。広島が全国で最初に桜が開花するのは今回が初めてです。
このあたりは、浄土真宗本願寺派を信仰して人が多く、北陸門徒(富山県・石川県・福井県)、尾張門徒(愛知県)、紀州門徒(和歌山県)、石州門徒(島根県)などと呼称されているひとつ「安芸門徒」と呼ばれる地域です。このあたりは、織田信長と戦い、太平洋戦争中でも朝のお勤めは欠かさなかいたほど信仰心が深い地域です。
明日、3月17日から彼岸の入り。お勤めの案内がありました。
法事の打ち合わせも終わり、話題は東日本大震災の話題に。
江戸時代後期、農民たちは自分の生まれた土地から離れることを禁じられていました。しかし、そのような中で、北陸門徒の農民が、藩の目を盗んで、福島県南相馬市や浪江町付近に「移民」として移った場所があります。
1780年代に起こった「天明の大飢饉」で東北地方の農民たちが餓死し人口が急減。そのような状況の中で、東北各藩の藩主たちが注目したのが、北陸の真宗門徒の農民たち。幕末までに約1万人もの北陸の人びとが移り住んでいます。
移住後に痩せた土地との激闘や「加賀者」「越中者」「入百姓」と呼ばれるような差別との戦いがあったそうです。しかし彼らは、理想社会の実現に向け、ひたすら新天地で働き続けました。
「安芸門徒」の地方では、忘れられた習慣が残っている地域でしたが、東日本大震災にともなう大津波が襲い、原子力発電所の事故で離散してしまいました。
今でも、南相馬市と砺波市が同じような郷土料理が残っています。
大河ドラマでは数時間での出来事ですが、歴史をひも解くと奥が深い。法事のときの話題になりそうです。
桜が少しずつ小雨に散り始めました。
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