2016-12-13

世界なかなか遺産第2号 街中に溶け込んだ『森文旭館』

丹下左膳の顔出し看板に、映画『黒部の太陽』主人公の三船敏郎が笑っていました。
愛媛県内子町にある「森文旭館」。

文化庁「登録有形文化財」、世界なかなか遺産認定第2号に認定された施設です。
戦争によって引き裂かれた恋人の姿を描き、戦争の残酷さを訴えている。主演の岡田英次と久我美子によるガラス越しのキスシーン『また逢う日まで』のポスターのほうに目が行きます。

国重要文化財建築が並ぶ八日市・護国町の重要伝統的建造物群保存地区にあり、木造一部2階建て(延べ415平方メートル)。正面ポーチにバルコニー、最上部に塔があり独特な形状となっています。

旭館は大正14(1925)年に、当時の有力者ら11人が発起人となり、約7,000円(約400万円)で建設されました。

昭和に入り『電気館』と改名され、昭和40年代初期まで、芝居・映画鑑賞の拠点となりました。

大藪春彦原作の「傷だらけの掟」、八尋不二原作の「蝙蝠屋敷」を吉田哲郎が脚色した「三代の盃」をはじめ、古いポスターも貼っていました。

一昨年、偶然訪れた一関市立達古袋小学校を皮切りに、呉YWCA・森文旭館と、国内3カ所ある『世界なかなか遺産』はすべて踏破。改めて訪れた場所を含め、本年はすべて訪問しました。

『森文旭館』世界なかなか遺産にふさわしい斬新な建物。街中に溶け込んだたたずまいでした。



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