車体には「佐藤ほたて興業運輸」の名前。
青森ナンバーのトラックは、青森県北津軽郡中泊町からカキ養殖に使うホタテ貝の殻を積み30時間かけて運んできました。
運送会社の10キロ先には、作家太宰治の生家「斜陽館」。
中泊町は、太宰と子守のタケが数十年振りの再開をした場所があり、「津軽」のラストシーンを具象化した像もあり、太宰ファンには、たまらない場所。
たまらない場所ですので、一度だけこの地に行きました。
「ここは、本州の袋小路だ。読者も銘肌せよ。諸君が北に向つて歩いてゐる時、その路をどこまでも、さかのぼり、さかのぼり行けば、必ずこの外ヶ浜街道に到り、路がいよいよ狭くなり、さらにさかのぼれば、すぽりとこの鶏小舎に似た不思議な世界に落ち込み、そこに於いて諸君の路は全く尽きるのである。」と書かれた石碑も。
その後、この町の人と知り合いとなり、めぐり逢いを紡ぐと、運送会社とも知り合いと分かりました。
津軽半島の空気を満載し、1400キロの旅。トラックのかなたに知人がいます。
「トラックに乗れば会えますよ」。久し振りに連絡しました。
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