2026-06-26

荒波蹴散らす玄界灘 「フェリーかなた」数奇な運命

中谷造船海運に、白い旅客船がドックに入っていました。


壱岐・対馬フェリー株式会社(福岡市)が所有する「フェリーかなた」(498トン)です。
宮城県石巻市から、6月13日に入港しました。


船体には、福岡市と長崎県壱岐市を結ぶ船であることを示す案内板が、ファンネル近くに掲げられています。


同社のキャラクターは、対馬に生息するツシマヤマネコと、壱岐周辺で親しまれるイルカをモチーフにデザイン。2018年、公募によって名前が決まりました。


遠い海で活躍するこの船の来歴をたどると、数奇な運命が見えてきました。

1995年12月。沖縄県伊平屋村が発注し、村営フェリー「フェリーいへや」として、愛媛県今治市の山中造船で建造されました。

その後、株式会社五島産業汽船に買い取られ、2015年4月には「フェリーありかわ」として生まれ変わり、佐世保市と有川港(上五島町)を結ぶ新規航路に投入されました。

しかし、2018年10月の経営破綻により航路は廃止。船は5年以上、活躍の場を失ったまま新上五島町内の港に係留されることになりました。

そして2025年2月。現在の会社に引き取られ、「フェリーかなた」として再起を果たしました。

建造当時は旅客定員252名のフェリーでしたが、現在は貨物船として運航するため、旅客定員は12名に変更されています。

操舵室に掲げられたビルダーズプレートには、「沖縄県離島海運振興株式会社」の文字。
遠い南の海で活躍していた時代を物語っていました。


荒れた海を走るように、激動の時代を過ごしてきた船。整備を終えれば、玄界灘で荒波を蹴散らす雄姿が待っています。



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