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2015-01-08

六角紫水の足跡求めて 雪化粧の中尊寺に立つ

 郷里の出身者に漆芸家・六角紫水がいる。
 キリンビールのラベルをデザインした人物と言えば、ラベルを目にした人も多いのでは。

 六角紫水が明治29年から古社寺保存会の委嘱を受け,中尊寺金色堂の調査・修復にかかわったと最近知り、足跡を知るため中尊寺を訪れた。

 早朝から参拝したので、静寂の中月見坂を歩いた。

 すれ違う人はいなかったが、足跡だけが参拝者の訪れを教えてくれた。

 奥州藤原氏全盛のときに創建された金色堂に。藤原氏四代の亡骸が安置されている。

 雪の白さが朝日に光る本堂はまぶしいくらい輝いていた。

 うっすら雪景色をしている境内は、さながら水墨画のような世界。

 客人を迎い入れるため、ほうきで雪を掃いていた。

 讃衡蔵と呼ばれる宝物館も訪れたが、残念ながら六角紫水が修復したものは展示されていなかった。
 しかし、郷里の漆芸家が汗を流した同じ場所に立ち、改めて偉業の大きさを感じた。

 六角紫水は慶応3(1867)年、広島県江田島市大柿町生まれ。東京美術学校美術工芸科漆工部を第1期生として卒業。岡倉天心とともに国内の古美術を研究した。



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